真彩希帆サヨナラ特別番組
真彩希帆サヨナラ特別番組「あなたが笑顔でいられるように」2021.3
雪組トップ娘役、真彩希帆さんの退団インタビューなどを見る。
いつも自分の言葉で話される彼女ですが、
<これまで私を応援してくださった全ての皆様>ではなく、
「私のことを見つけてくれて、この子はこれからどうやって成長してゆくんだろうなって、あたたかく見守ってくれた・・・」
言葉としては長くなるのですが、表現がとても具体的で、
ファンとして彼女を見つけたときのことや、その後の色んな場面のことが脳裏に浮かぶので、言葉が長すぎることはないんです。
私が見つけたというか、衝撃的だったのは、2016年暮のSSの歌合戦のような番組で、「鈴蘭」の歌を聴いたときでした。
普通に話しているときのような声で歌が始まって、じーっと聞いてしまいました。高音はまろやか・つややかで心地よく、ビブラートもほとんど加えない。
あとで「鈴蘭」を見たら礼真琴とのデュエットではビブラートは聞えましたね。色んな歌い方ができるのでしょう。
新人公演の話では、本役の星組・妃海風や雪組・咲妃みゆのそばに付きっきりで学んだ話など。真彩の退団公演ではコロナのため新人公演は中止なので、真彩から下級生に直接伝えることはできないかもしれないと思っていたら、突然に3人でハーモニーを付けて歌いたいという話になりました。
3人とは、星組時代の小桜ほのか、天彩峰里を加えた3人で、歌う曲は中島みゆきの「糸」。
3人でのトークになって、意外なことがわかりました。
星組時代は3人はコーラス担当でいつもコーラスボックスにいたこと。
コーラスが、真彩・小桜・天彩の3人というのはすごいメンバーです。
1990年代に「コーラスの星組」といわれたころ・紫苑ゆうの時代では、
コーラスは出雲綾、舞路はるか、鈴奈沙也の3人が多かったような記憶。
歌の実力は同レベルと思いますが、ヒロインを経験するような3人なのが真彩の時代。
「こうもり」のころは、最高レベルのコーラスだったわけですね。
ちなみに出雲綾、鈴奈沙也は宙組に組替えになって、いつのころからか「コーラスの宙組」という言い方もできました。
番組の3人トークのときに、真彩さんが楽譜が読めないことを告白。
彼女は音楽学校卒業時の成績11番、他の2人は5番なので、何が不得手なのか不審に思っていたのですが、たぶんこのことなんでしょう。コーラス担当のところへ楽譜が配られたとき、他の2人が歌ってみせると、1度で真彩さんはおぼえてしまうのでしょう。
「こうもり」では3人と上級生の妃白ゆあさんを加えた4人がエイゼンシュタイン家のメイド役、「チーム・メイド」と真彩さんがいつか懐かしそうに言ってましたね。ヒロインのアデーレ(妃海風)もメイドなので5人チームになるかもしれません。妃白さんはLove&Dreamで「チムチムチェリー」を表情豊かに歌っていたのが印象的で、「こうもり」で退団されましたが、その後は他の4人のファンになりました。この4人は血液型がそれぞれ違うことを知ったときは、びっくりというか、なるほどとも思いました(風B 希A ほO 峰AB)。
真彩さんから「退団してもずっと歌友達でいてください」という言葉。こういうのは、番組収録の前に、事前に言っておいたと思います。でなければ小桜なら泣き出すでしょうから。
うたかたの恋
ヨーロッパの名門ハプスブルグ家の皇太子ルドルフの自殺は、心中とか情死事件とかいわれ、とてもセンセーショナルな事件だったらしく、それはハプスブルグ家自体の自殺そのものになるのではないかとか、いろんな解釈ができるのかもしれません。ルドルフは30歳、その年1989年の秋には、遥か東の日本の国では、立太子礼が行なわれ、満10歳の皇太子が誕生しました。後の大正天皇です。大正天皇の時代の御心労については、東西に共通するものがあったのかどうか、よくわかりません。
オーストリアのルドルフ皇太子の事件についても、真相は謎なのですが、『うたかたの恋』などの物語や映画に脚色されました。
宝塚歌劇の「うたかたの恋」といえばやはり星組の紫苑ゆう、なのですが、稽古中の負傷もあり、復帰後の公演の録画DVDは発売されませんでした(代役麻路さき主演のみ発売)。それでも引退記念ビデオで一部の場面を見ることはできます。
その中で、将来のことを語ろうというルドルフ(紫苑)の言葉に、マリー(白城あやか)の答えた言葉が印象的でした。
「あたくしには将来がそれほど大事なものとは思えませんわ」
それは「今が大事」という意味なのかもしれません。将来も大事だけれど、今にまさる将来もあれば、将来にまさる今の瞬間の奇跡もありえる、ともかくマリーが奇跡のような幸福の中にいたことは確かなのでしょう。
ルドルフは、マリーのその言葉を聞いて、何かの二者択一を迫られたように感じたのかもしれません。
・・・そのような印象をもったのは、二人のスターの、特に白城あやかの演技によるところが大きいかもしれません。
ベルばら
2013年12月、NHK BS放送で、1974年初演の「ベルばら」を見る。
この安っぽい衣装と色彩感覚はなんなんだろうとか、
甘い音楽は悪くはないけれど耳について離れない粘着感とか、
子どものころの駄菓子屋の店先という感じ。
録画しておいたけど、途中で飽きてくるので、中断。でもなぜかまた見たくなって・・・。
プロローグの初風諄の歌から、アントワネットの少女時代、ベルサイユでのアントワネットの憂愁、堕落した貴婦人たちに囲まれ、そこへ榛名由梨のオスカル登場で拍手がおこり・・・のあたりまでは何度も見ることになりました。
動画はフィナーレのシーンです。
「愛それは甘く、愛それは・・・」の繰り替えしまでは良いけれど、「愛あればこそ世界は一つ」とか、政治団体のキャッチフレーズみたいで、びっくりしたものです。